独白 愉快な“病人”たち

下半身の感覚がなくなって…ヤマザキモータースさんADEMを語る

ヤマザキモータースさん(C)日刊ゲンダイ

 翌朝には熱が38度もありました。それでも、朝から例のパチンコ店の営業があったので無理やり行って仕事をやり切り、フラフラになって当時の彼女、今の嫁さんのところに転がり込みました。 その夜、彼女の家の近くの救急病院へ行ってオシッコを抜いてもらったのですが、肛門に力が入るかどうかを検査したところ、力が入らないことが判明して……。そこから、本格的に「これはおかしいぞ」となって脊髄の検査になりました。

 脊髄液を採るための麻酔注射は研修医が担当で、それがへたくそで五寸釘を打たれるようなものすごい痛みを味わいました。そのうちベテランらしき医師が来て、「どこに打ってんだよ」という声が聞こえたときは朦朧とした意識の中でも恐怖を感じましたね。

 そのまま朝方になって、「急性散在性脳脊髄炎」と分かり緊急入院になりました。

 気づいたら胸から下の感覚がなくなっていて、「何万人に1人の病気であまり症例がない」と告げられました。ただ、「変わった病気だけど徐々に治っていきます」と医師が言うので、「年内には何とかなるだろう」と楽観的でした。それが2005年10月のことです。

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