進化する糖尿病治療法

食事や運動に加え「睡眠」も大事 寝不足は血糖値上昇の原因に

少しだけ早く起きて、朝に散歩を(C)west/iStock

 東京都在住の40代の女性は、フリーランスのライターということもあり、遅寝遅起きの生活を長く続けてきました。午前中の取材や打ち合わせが入らない時は、朝は10時すぎに起き、コーヒーを飲みながら新聞を読んだりメールをチェックしたりする。仕事のギアが上がるのは昼すぎで、寝るのは夜2時すぎ。「夜型生活なので早起きなんて無理」とずっと思っていました。

 生活を切り替えたのは、コロナによる外出自粛期間中です。自宅で丸一日過ごす日々にうんざりし、かといって日中、人がいる時間帯に外を出歩くにはマスクが必要。マスクなしで気持ちよく空気を吸いたいと思い、朝5時台に目覚ましをセット。早起きのために日付が変わる前にベッドに入っても、最初の数日間は眠れず、起きるのもつらかった。しかし、朝のきりっとした空気の中の散歩は想像以上に気持ちよく、なんとか続けられました。2週間ほど続ければ、次第に起きるのが苦ではなくなってきて、同時に、夜10時くらいからぐっすり眠れるようになりました。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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