AIが築くクスリの未来

患者や薬をロボット搬送する「スマートホスピタル」も進行中

手術支援ロボット「ダヴィンチ」(C)DPA/共同通信イメージズ

 また、最近では、病院全体にICTを浸透させて、患者や薬のロボット搬送をしたり、遠隔で容体を確認したりといった、情報管理や自動化が高度に進んだ「スマートホスピタル」化に取り組んでいる病院も出てきています。

 初代iPhoneが発売されたのは今から13年前です。その当時、現在のようなスマホ普及率が85%を超えるような社会を、誰が想像できたでしょうか。激変する現代において、10年後の医療業界を想像するのは難しいといえますが、少なくとも言えるのは「ICTが医療にも浸透し、今よりも高度で個別化された医療がより安全に受けられるようになるのは間違いない」ということです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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