日本は法治国家で、憲法と法律にのっとった形で医療行為が成り立っています。そのルールの中で認められていない行為は、絶対に許されないのです。
個人が正当な行為だと思い込んで嘱託殺人をどうしても実行したいのであれば、それが法律で認められている外国に行けばいいのです。彼らの行為は、日本の街中にあるコンビニエンスストアで買い物をするときに、「世界で広く使える通貨なのになんでここでは使えないんだ」とドル紙幣を振りかざすようなものといえるでしょう。
医学部で医師になるために受ける教育は、医学的な知識や診療・治療に関する知識だけではありません。そうした医療行為を患者さんに対して行使する際は、どのような倫理観を持って行わなければならないかといった考え方を繰り返し徹底して教育されます。何度も何度も試験を受け、その都度、知識と態度と実際に行う医療行為が、それぞれすべて問題ないかどうかを点検され、それに合格した人だけがスタートラインに立てるのです。そうやって成り立っている医師としての一線を、個人の主義主張や都合で変えてしまう行為は排除されなければなりません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」