Dr.中川 がんサバイバーの知恵

4割は自己判断で… がん手術4週間遅れで死亡リスク8%上昇

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そんな研究結果が出たところに、先ほどの調査です。医療関係者の判断ではなく、自分や友人の意見で治療を中断した人が40人中17人と4割超。このコロナ禍では、治療の遅れが4週間では済まない恐れがあります。たとえば胃がんや大腸がんなど早期なら内視鏡で治るのに、1年も手術が遅れたら大変なことになります。

 重ね重ねになりますが、不安ならセカンドオピニオンを取ったり、各地のがん診療拠点病院にある「相談支援室」に相談するといい。相談支援室は、その病院の患者でなくても利用できます。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事