独白 愉快な“病人”たち

「息子が卒業するまでは」がんと闘うAV男優の沢木和也さん

沢木和也さん(C)日刊ゲンダイ
沢木和也さん(AV男優・53歳)=食道がん・咽頭がん

 がんがステージ4だと知ったときは、ショックというよりも「やられたな」と思って、まだ中学生の息子の顔を思い浮かべながら「この先のことを考えなきゃいけない」と思った。

「なんかおかしいな」と感じたのは、今年の2月下旬、撮影現場でセリフの語尾がかすれて、うまく声が出なくなったときだった。胸に痛みのようなものもあったので、すぐに近所の病院の呼吸器科を受診して、CT検査で心臓や肺などを調べたんだ。だけどそこでは特に異常がなくて、医師はなぜか「耳鼻科に行け」って言うんだよ。「耳鼻科ってことはないだろう」と思って、行きつけの内科に行って、なんとなく症状を訴えてみたんだ。

 そこはピロリ菌の検査でときどきお世話になっているクリニックなんだけど、5~6年ほどサボっていたので、「久しぶりに胃カメラでもやりますか?」という話になった。すると、食道に素人目でもわかるほど絵に描いたような影があって、大きな病院を紹介されて精密検査になった。そうしたら、食道のほかに喉にもがんが見つかり、双方が原発のがんだって。すでに薄くつながるように喉から食道全体ががんだった。それが今年3月24日のこと。

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