ビートルズの食生活から学ぶ健康

メンバーはリラックスし副交感神経優位の状態になっていた

1968年、彼らはヨガの聖地インド・リシケシュを訪れた(C)ゲッティ=共同

 この時のジョンは黒目の部分がふだんよりも大きく感じられ、とても穏やかな表情をしています。ほかの写真では認められない表情で、インドにおいてリラックスした状態になっているため副交感神経が優位となり、瞳孔がやや散大傾向にあったと考えられます。

 ポールもまた同様の傾向が見られるので、恐らく2人は瞑想することによって、一時的にせよ、リラックス状態に入れたのだと想像されます。

 インドで作られた30以上もの曲は、インドから帰った後に、ジョージの家でデモテープが作られ、現在では「イーシャー・デモ」として公式に発表されて聴くことができるようになりました。

ゲット・バック・ネイキッド―1969年、ビートルズが揺れた22日間―」(藤本国彦著、青土社刊、2020年)の中に、マハリシの下での修行に対し、「気持ちを落ち着かせるためのバカンスとでも呼べばいいんじゃないかな」といったジョンの言葉が残されています。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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