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新型コロナで米国の平均寿命が第2次大戦以降最大のマイナス

新型コロナウイルス検査の列に並ぶ学生や職員(C)ロイター

 では、コロナの影響を考えてみると、まずアメリカ人の2019年の死因のトップは心臓病で66万人、2位ががんで60万人、3位がドラッグの過剰摂取なども含む事故死で17万3000人でした。2020年はコロナ死者が32万人を超えていますから、死因の3位になることは確実とみられています。

 気になるのは、コロナ禍がドラッグ過剰摂取死にも影響を与えている点です。ソーシャルディスタンスや外出制限などで孤独になりがちな今、特に依存症から抜け出そうと闘っている人たちにとって、メンタル面だけでなく実際の治療の機会が減るという意味でもマイナスになっています。

 また、2020年は例年に比べ死者の数が40万人も多くなるとみられていますが、その中にはコロナの影響による自殺や、感染を恐れて治療や検査を受けられないために増えるがんによる死亡なども含まれると考えられています。

 とりわけメンタル面の対策は2021年の大きな課題となりそうです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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