脳梗塞にはいくつか原因がありますが、全体の30%くらいは心臓が原因となる心原性脳梗塞です。しかも、心原性脳梗塞は片麻痺や言語障害などの後遺症が残りやすく、介護や介助といった生活支援が必要になり、生活の質が著しく落ちてしまいます。さらに、再発もしやすく、突然死を招くケースも少なくありません。
ですから、かつて脳梗塞にかかったことがある人、発症リスクが高い人などを含め、脳梗塞を予防したり重症化させないようにするために、心臓側からも考えて対策するべきなのです。
たとえば、脳梗塞を発症した患者さんの心臓に疾患があれば、それをしっかり治療する。心房細動などの不整脈がある場合も、必要ならばカテーテルアブレーションをはじめとした治療を行ったり、血液をサラサラにする薬を使う際にはその患者さんに最も適したものを使う――。脳梗塞は脳の血管が関与している疾患ですが、そちらに対する処置だけでなく、心臓をきちんと管理しながら脳の血管に対する治療を行うのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」