最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

「もしも」の時も慌てて救急車を呼ばずに主治医に電話を

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 在宅医療中の患者さん側の困り事には、基本的に「今困っていること」「私たちから見て客観的に困っていると思われること」「これから困るであろうこと」の3つに分けて考えています。

 このうち予想のつく困り事の場合、あらかじめ解決の道筋をつけて準備しておけば、ご家族も慌てることなく落ち着いて対処できます。具体的にどういったことを念頭に置いておけばいいか、次に挙げたいと思います。

 まずは、「自分たちだけでやってしまわない」。たとえば、入院から在宅医療に切り替えた患者さんがいた場合、家族は薬の世話やトイレの付き添いをはじめ、すべてを自分たちでしなければいけないと考えがちです。

 しかし、心配ご無用。今の医療保険や介護保険はとても充実しており、収入により決まった上限額の負担で、がんの末期であれば医師や訪問看護師さんが連日介入し、全身の状態の確認や投薬の管理などを行います。だから、安心して頼ってください。独居の方でも同じで、人の手を借りることをいとわずに頼ってもらえればと思います。

1 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事