最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

「もしも」の時も慌てて救急車を呼ばずに主治医に電話を

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 次に、「在宅医療スタッフへなんでも気軽に相談し連絡する」。患者さんやご家族は悩みや迷いがあっても、「家に来てもらうほどじゃないし、もし連絡したらお医者さんに迷惑かも」「こんなことを相談してもよいのか判断がつかない」など迷われる方が多い。しかし、少しでもなにかあれば気軽に連絡してください。

 連絡いただいた電話で、食欲や体温や排便・排尿についてうかがい、往診の必要の有無を判断します。連絡いただいた内容はカルテにも記載しているのでその後の診断にも役立ちます。

 最後に、「慌てて救急車を呼ばない」。

 救急車の方が速くて安心と考えがちですが、受け入れ先の病院を探すのに時間がかかった揚げ句、到着後、医師の診察を受けられるまでさらに時間がかかるのは珍しくありません。救急車を電話で呼んでから診察まで30~40分もかかった……という場合もあるのです。初診であれば、もっと時間がかかります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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