独白 愉快な“病人”たち

がんで胃を全摘 元プロレスラー田上明さんが一番心配だったこと

田上明さん(C)日刊ゲンダイ

 病気から学んだことは「不摂生はするもんじゃない」ということ。若い頃は体を酷使していたし、酒とたばこはやり放題、趣味のバイクや釣り、日本刀のコレクションにも大金を使って、健康のことなんて考えていなかったからね。今はもうほとんど処分しちゃって、残っているのは釣り道具用につくった釣り部屋だけ。もう釣りにも行かなくなったから、娘が「あの部屋ほしい」って狙ってるよ(笑い)。

 すっかり体がひ弱になっちゃったのが情けないね。昔は4月にはもう半袖だったけど、すっかり寒がりになった。体調は普通だけど何をするわけでもないし、先のことも考えない。毎日肉の仕込みをして店の隅の席で酒飲んで、たばこ吸ってるだけよ。唯一楽しみなのは、孫の成長を毎日見ること。今1歳7カ月。「美芙流」と書いて「ミハル」と読むんだよ。昔の暴走族の当て字みたいだろ(笑い)。

(聞き手=松永詠美子)

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