進化する糖尿病治療法

アメ、ガム、コーヒー…知らず知らず取っている甘いものに注意

健康にいいと思っていることが逆効果

 それが菓子パンとなると、もはや主食ではありません。フワフワのパン生地にサクサクのクッキー生地がかぶさっているメロンパンはカロリーが非常に高く、400~500キロカロリーほどあるものも。ご飯がお茶碗1杯(普通盛り)で約250キロカロリーなので、いかにメロンパンのカロリーが高いかが分かるでしょう。菓子パン1個じゃ足りないからと2個食べれば、ものによっては牛丼1杯食べるより多くのカロリーを摂取することになります。

 キャンディーやガム、甘い飲み物も、「知らず知らずのうちに取っている甘いもの」の代表格。野菜不足を解消しようと飲んでいる野菜ジュースは、食物繊維はほぼ取れません。むしろ糖質の取り過ぎになりかねない。飲みやすくするために果物を入れている野菜ジュースは、よりカロリーが高く、糖質が多くなります。

 甘いものは、スイーツだけにあらず。血糖コントロールが良い状態をずっと保っていたのに、急にコントロール不良になった患者さんに話をよく聞くと、「免疫力を上げるためにヨーグルトを食べるようにした」と言う。「ジャムをかけて食べていません?」とさらに聞くと、「酸っぱいので、ジャムをたっぷりかけています」「ジャムは使っていませんが、砂糖を入れて食べています」と答えた方もいました。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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