コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

開発が進む「てんかん発作予知AIシステム」の仕組みと精度

名古屋大学大学院工学研究科の藤原幸一准教授(提供写真)

 突然意識を失い、けいれんするなどの発作が起こる「てんかん」。国内の有病率は1000人に5~6人(推計60万~100万人)といわれ、乳幼児から高齢者のすべての年齢層で発症する。てんかんのある人のうち70~80%は、薬や外科治療などにより発作を抑制(コントロール)できるが、残りの20~30%の人は治療しても発作が止まらない難治性だ。

 発作が起こると、時と場所によっては大きなケガや事故につながる恐れがある。しかし、発作が起こる数秒前でも本人や周囲の人が兆候を検知することができれば、発作までに身の安全を確保できる。

 そんな、てんかん発作をAI(人工知能)によって予知するシステムの開発が進められている。

 てんかんは脳の病気なので、その診断には主に脳波のモニタリングが行われる。このシステムでは、どんなデータを使って予知するのか。代表研究者である名古屋大学大学院工学研究科の藤原幸一准教授が言う。

1 / 3 ページ

関連記事