間違った歯磨きは口の健康を悪化させる 感染対策でも重要

写真はイメージ

 接合上皮は有棘細胞層と基底細胞層からなる組織で、細胞と細胞の間には浸出液という血液成分が常に存在し、細菌などを“洗浄”して侵入を防いでいる。また、細胞の入れ替わりも早いことから「清潔域」とされ、汚れや細菌を除去するためにブラッシングする必要はない。

 つまり、歯と歯茎の間に毛先を当てて歯磨きしている人は、自分の手で細菌の侵入を助け、歯周病リスクを上げていることになる。

 間違った歯磨きは、「歯間乳頭」という組織も傷めてしまう。歯間乳頭は、隣り合った歯と歯の間の根元付近に三角形に入り込んでいる歯肉で、歯をしっかり支え、細菌の侵入を防ぐ働きをしている。

「歯間乳頭は組織が弱く炎症を起こして腫れやすいため、硬めの歯ブラシを使い強い力で歯茎を直接ブラッシングしたり、歯間ブラシを頻繁に使用していると、傷んでどんどん下に後退していきます。すると、歯と歯の隙間が広がって歯周病や虫歯になりやすくなってしまうのです。歯間乳頭は一度失うと再生させるのが難しいので、正しいケアが大切です」

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