■凍結した方が妊娠率は高くなる?
採卵した周期に移植することを「新鮮胚移植」、いったん受精卵(胚)を凍結して別の生理周期で移植することを「凍結融解胚移植」と呼びます。食品などと同様に「凍結していない新鮮な受精卵の方が治療成績は良いのでは?」と思われる方が多いと思いますが、実はそうではありません。
日本産科婦人科学会の統計では、凍結融解胚移植の妊娠率は約35%であるのに対して、新鮮胚移植の妊娠率は20%程度しかありません。複数の卵子が発育している採卵周期ではホルモンが過剰なため着床環境が乱れています。また、ガラス化法と呼ばれる現在の受精卵の凍結技術は非常に優れていて凍結・融解による受精卵へのダメージがほとんどありません。このため、採卵とは別の周期で着床環境を整えて移植する凍結融解胚移植の方が妊娠率は高くなるのです。
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