女性の不妊治療で何が行われているのか

不妊治療中にコロナワクチンを接種して大丈夫なのか?

写真はイメージ

 ただ、採卵や移植、人工授精など外来手術の予定がある場合、その時期にワクチンを打つこと自体に問題はありませんが、副反応により発熱する場合があります。発熱してしまうと処置を受けることが困難となる場合もあります。

 また、副反応が出るのはほとんど接種後3日以内であり、処置後3日間は処置による影響(術後感染など)か、副反応による症状なのか判断が難しくなってしまいます。これを踏まえ、手術・処置の前後3日間だけはワクチン接種を避けた方が望ましいとされています。また、風疹や麻疹のワクチンとは異なり、接種後も避妊期間はなく、治療を継続して大丈夫です。

■妊娠中のワクチン接種は問題ない?

 妊娠中にコロナウイルスに感染した場合、妊娠していない女性と比較すると、人工呼吸器が必要になる確率が上昇し、死亡リスクも高まる、早産のリスクが高まると報告されています。したがって、妊婦さんに対しても積極的にコロナワクチンを接種することが推奨されています。日本産科婦人科学会と日本産婦人科感染症学会が共同で声明を出し、コロナワクチンの接種はメリットがリスクを上回るとし、ワクチン接種を推奨しています。

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小川誠司

小川誠司

1978年、兵庫県生まれ。2006年名古屋市立大学医学部を卒業。卒後研修終了後に慶應義塾大学産科婦人科学教室へ入局。2010年慶應義塾大学大学院へ進学。2014年慶應義塾大学産婦人科助教。2019年那須赤十字病院副部長。2020年仙台ARTクリニックに入職。2021年より現職。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。

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