新型コロナに感染した透析患者に有効な治療がわかってきた

透析患者へのレムデシビル投与における臨床経過(伊勢川拓也氏提供)

 連日、血液透析を2時間行った後、レムデシビルを100ミリグラム投与し、透析除水も積極的に実施。投与開始からすぐに酸素飽和度は改善し、投与4日目にはウイルス量が検出感度以下にまで減った。採血検査でも副作用は認められず、10日目には労作時の低酸素血症も見られなくなり、無事に自宅退院できた。

「毎日2時間の血液透析を行うことで、なるべく腎臓に成分を蓄積させないようにしながら、レムデシビルの投与量も通常は初回200ミリグラムのところを100ミリグラムに減らしてリスクを低減させました。治療結果は良好で、退院時はご自身で歩いて帰宅されています」

 現在、江戸川病院グループでは、透析治療を受けている新型コロナ患者に対して以下の手順で治療を行っている。①入院後、2時間の血液濾過透析②初日のみ透析後にトシリズマブ400ミリグラムを1時間かけて投与③連日の2時間透析後に、初回を含めレムデシビル100ミリグラムを2時間かけて投与④心電図モニターと連日の採血で副作用の評価を行う。

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