実際は何のエビデンスもないのですが、中世ヨーロッパから近代まで、かなり長い間行われていました。当然、出血死する人も多く、アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンは、大統領を辞任から2年後、雪の降る中馬を走らせた結果、風邪をひいてしまい、何度も瀉血を行った末に亡くなっています。ラファエロも直接の死因は「出血死」ということになるのかもしれません。
孤児から成り上がったイケメン芸術家のラファエロの悲しいところは、本命の女性がいたにもかかわらず、スポンサーの意向を忖度して、好きでもない女性と婚約したり、教会での出世をちらつかされて結婚をためらっているうちに家庭を持つことができなくなり、女性遊びにふけっていたことです。しかも、死につながる病気についても医師にさえ正直に話ができなかった。哀れを感じるのは私だけでしょうか。
ラファエロの死後60年たって、彼の新たな作品が発見されます。人妻を意味するターバンを頭に巻いた「若い婦人の肖像」です。上半身裸で腕輪にはラファエロが絵の署名に使った「Raphael Vrbinas」が描かれており、ラファエロとモデルとの特殊な関係が見て取れます。
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