「患者さまの手術を行うユニットは独自に開発したコンパクトで自由度の高いロボットアームにより、アーム同士や周囲の医療従事者との干渉(接触など)が起こりにくい構造になっています。また、助手の作業スペースを広く確保している点。執刀医が操作するユニットは人間工学に基づき開発されており、長時間に及ぶ手術の疲労軽減をサポートする点なども特徴です」
また、国産メーカーという強みも大きい。海外製品だと、どうしても現地の臨床現場に合わせて開発が進められるからだ。国産であれば日本人の外科医のニーズを速やかに反映させ、ロボット本体や鉗子(かんし)などの器具の改良を継続的に行っていけるわけだ。
さらに神戸大学、NTTドコモ、メディカロイドは、次世代移動通信システム5Gを活用し、hinotoriを遠隔操作する実証実験を神戸市の「神戸未来医療構想」の枠組みにおいて開始している。商用5Gネットワークを介した手術支援ロボットの遠隔操作実験は世界初だ。
「当プロジェクトにおいては、今後まず、地方の若手外科医に対する遠隔指導や遠隔手術支援を目標として実証実験を進めていきます」
今年4月に外部発表を行った実証実験では、2拠点間での遠隔操作が可能であることを確認した。
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