科学が証明!ストレス解消法

「断れない人」は分析的思考が弱く、「断れる人」は共感力が弱い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 脳には、他者に対して理性や感情をつかさどるネットワークと、論理的・数学的な部分をつかさどるネットワークがあります。これを同時に働かすことは、実はとても難しい。どちらかの機能を必要とするタスクを行っている場合は、もう片方のネットワークが抑圧されてしまうのです。

 たとえば、頭では「断ろう」と分かっているのに、ついつい話し込んでしまう。すでに似たようなTシャツを持っているのに、また新しいTシャツを購入してしまう。それらが起こりうるのは、片方のネットワークが抑圧されてしまうためで、判断が鈍るんですね。

 ただし、裏を返せば、共感力があまりない人は物事を分析しがちということ。共感をなかなか得られない人は、一度、分析しすぎる癖をストップし、相手の気持ちに寄り添ってみるといいかもしれません。

 逆に、なんでもかんでも人の言うことを聞いてしまったり、うのみにしてしまったりする人は、「ちょっと待てよ」と、意識的に一度立ち止まるようにしてください。そのまま相手の話に耳を傾ける時点で、「他者の気持ちを考えているケース」に相当するのですから、一呼吸置いて「なんで呼び止められたんだ?」と間をつくって分析するようにしてください。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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