■知覚過敏が起こりやすくなるケースも
では、歯に悪影響はないのか。
「ホワイトニングで使われる薬剤は、着色物質の有機質だけに作用するため、歯に対する影響はないといわれています。ただ、薬剤が歯の内部に浸透して神経に強い刺激を与え、知覚過敏を起こしやすくなるケースがあります。日本人の歯はエナメル質が薄いケースが多いのでなおさらです。また、歯の表面のエナメル質は、ペリクルと呼ばれる薄い膜によって覆われていて、外の刺激から保護されています。薬剤によってそのペリクルが剥がれてしまい、外部からの刺激を受けやすくなることも考えられます」
「オフィス」でも「ホーム」でも、実際にホワイトニングを行った患者さんからの訴えで一番多い症状は知覚過敏だという。
「ホワイトニングの影響で知覚過敏になってしまった場合、長くても数カ月程度で改善しますが、中には慢性化してしまう場合もあります。悪化すると歯の神経の炎症=歯髄炎に発展するケースもあるので、症状が出たら早い段階で歯科医に相談してください」