上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

肥満を防いで「見た目」が若くなれば健康寿命が延びる

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 年を取るにしたがってヨボヨボしはじめ、いかにも「老人」といった見た目や行動になってくるのです。そうなると、心臓など体のあちこちに大きな問題が起こりやすくなります。

 いまは「人生100年時代」と言われます。80歳になっても人生はあと20年続くわけですから、健康寿命を延ばし、生活に制限がある状態で過ごす期間をできるだけ短くすることが大切です。

 そのために、まず意識したいのが肥満や生活習慣病を防ぐ食事です。好きなものを好きなだけ食べるのではなく、栄養バランスの良い食事を取るようにする。それには、昔から健康的な食事の基本とされている「一汁三菜」を心がけましょう。ご飯、汁物、3種類のおかずによって構成された献立のことで、理想的な栄養バランスだといわれています。「主食」(ご飯、パン、麺類)・「主菜」(肉、魚、卵、大豆製品)・「副菜」(野菜、キノコ、海藻類)を偏りなく取ることが、肥満を防いで健康寿命を延ばすことにつながります。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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