お酒を飲んでいい気分で帰宅してすぐにバタンと寝てしまうと、就寝中に脱水症状を起こして心臓トラブルが発生するリスクがあります。また、そのまま入浴するなど血圧を急激に変動させる状況をつくると、これも心臓トラブルを招きかねません。とりわけ、酔ったまま湯船につかってポカポカと温まり、気持ちよくなってそのまま寝てしまうのは非常に危険です。
自動保温機能が付いている浴槽であればまだいいのですが、そうではない場合、お湯の温度がだんだん下がってきて体温も低下していきます。すると、血管が異常に収縮する攣縮が起こり、心臓が虚血状態に陥ります。さらに、体温が低下すると、利尿作用が促されるなどして体内の水分バランスが変化し、脱水状態になります。そうしたトラブルが重なって、命に関わる危険があるのです。
東京都監察医務院のデータによると、東京23区では年間約1400人が入浴中に亡くなっていて、低体温症の手前くらいの状態で心臓の冠攣縮を起こして死亡したケースも見受けられます。そうした死亡事故のベースには脱水があるといえます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」