最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

問題が起きればシステム改善 テーラーメードな医療のために

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これまで「在宅医療」では、ただ治療するだけでなく、患者さんやご家族の要望や希望を聞き、その患者さんに合った方法を模索しながら、生活を丸ごと面倒を見るテーラーメードな医療を行っているとお伝えしてきました。

 つまりは患者さんの数だけ工夫や改善があるわけですが、それは訪問先に限ったことではなく、院内におけるシステムも頻回に改善しています。以前、そんな改善を劇的に促した問題に遭遇しました。

 あれは、開院して数年たった頃。患者さんが急増した時期で、定期訪問のみで100%埋まっている状態でした。そこに急な往診が3件入ったのです。

 当時は、院長である私以外の2人の医師は非常勤勤務。どちらも小さな子供を抱えており、急な対応はできませんでした。したがって、私と診療スタッフだけで対処するため、事前に訪問時間を予約していた患者さんにもその変更をお願いせざるを得ず、夜間になってからの訪問になってしまったりとご迷惑をおかけしたのでした。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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