このときの噴火では火口から南西3キロに設置された空振計が458パスカルを観測、体で感じることのできる震動「体感空振」も確認された。
ちなみに100パスカル以上の空振で窓ガラスが割れるなどの被害が出る恐れがあるとされる。
そこで気になるのは津波を起こさせるほどの空気の振動が人間の体に異常をもたらせることはないかだ。
「日本においてはまず考えられません。噴火から8000キロ離れた日本では20~30分の間に200パスカルの気圧が観測されています。この程度のゆっくりした変化はほとんどの人が気がつきません。体の異常が出ることはないと考えられます」(前出の井口教授)
実際、今回の噴火に伴う空振によるとみられる顕著な気圧変化は、民間気象会社「ウェザーニュース社」が全国3000カ所に設置している独自の観測機「ソラテナ」でも観測されていた。