60歳からの健康術

自由診療歯科医が教える歯のケア(7)かかりつけ歯科医師の選び方は?

写真はイメージ

「50~60歳で唾液量が減ることは多くの調査・研究が明らかにしています。たとえば、31~80歳の住民250人を10歳刻みで5群に分けて10分間、安静時総唾液分泌量を測定した秋田県の研究では、男性は51歳以降、女性は61歳以降に唾液量が減少すると報告しています」

 注意したいのはこの研究での対象者は唾液の分泌量に影響のある薬を飲んでいないことだ。

「精度の高い研究のために除外していますが、実際には高血圧や糖尿病の薬を飲んでいる中高年はたくさんいます。これらの薬は唾液分泌量を抑える傾向があります。この研究ではそれが反映されていません。日頃からそういう薬を飲んでいる人は、かなり厳しく口腔ケアに注意する必要があります」

 もちろん加齢により唾液の質も変わる。

「唾液はサラサラ、ネバネバ、両方が混ざったものの3種類があります。安静時の唾液は耳下腺からはサラサラ、顎下腺からは混ざったもの、舌下腺ではネバネバが分泌されます。一方、食べて咀嚼したり食品の匂いを嗅いだりして刺激を受けると、耳下腺からの分泌が多くなります。ところが、年を取ると耳下腺からの分泌が減ります。その結果、唾液分泌量の減少と相まって口の中がネバネバしてくるのです」

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