その上で、学期末テストの成果を比較したところ、少しではあるもののアドバイスを送った生徒たちの学力が伸びている傾向が見られたそうです。
人間には、他者から期待されることによって学習や作業などの成果が向上する、「ピグマリオン効果」という心理的行動が備わっています。「自分は期待されているんだ、できる人間なんだ」という思い込みの力が発動し、無意識のうちに頑張れるといわれています。ところが、期待した側も向上するというから不思議ですよね。
研究チームによれば、矛盾する認知を同時に抱えると生じる“認知的不協和”がポイントなのではないかと見解を述べています。
認知的不協和とは、禁煙をしたい自分と実際にできない自分という具合に、人間が矛盾する認知を同時に抱えた時に覚える不快感を表す心理学用語です。
つまり、後輩を励ました手前、自分も結果を出さなければ格好がつかない--。こんな認知的不協和に悩まされ、期待した側もいつもよりも頑張って向上したのではないか、と。
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