オミクロン株は重症化リスクは低いが…ウイルス量がなかなか減らない 治療の現場から報告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「それが、高齢女性のオミクロン株感染者で発症6日目でも5000を超えているケースがあるなど、10日目を過ぎても600前後の数値がダラダラと続く例が多いのです。もちろん、ウイルス量が多いから強い感染力が残っているとか、逆にウイルス量が少ないから回復したと、すべてのケースで言えるわけではありません。ただ、はっきりしたデータは報告されていませんが、体内のウイルス量が300~500あると、密室空間になりやすく患者に接触して行う介護が必要な老健施設や医療機関では、さらにそこから感染を広げてしまう可能性が指摘されています。オミクロン株の場合、軽症で動ける人が多いため、認知機能が低下した高齢の患者さんでは入院中にベッドから離れて歩き回ってしまうケースも少なくありません。それだけ、医療従事者が感染を防ぐために注意すべき場面が増えているといえます」

 現時点で、厚労省が定める療養終了・退院基準は「発症日から10日経過(無症状患者は7日目)かつ症状軽快から72時間経過」となっている。しかし、退院後であったり療養期間が終わっていたりしても、鼻咽頭のウイルス量が減ってない人はいるため、ウイルスを排出しながら街中を歩いている可能性もあるのだ。

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