腰痛のクスリと正しくつきあう

剥がした後も4週間は紫外線に当たるのを避けるべき湿布薬

使用後4週間は紫外線に注意(写真はイメージ)

 腰痛を含む筋肉や関節の痛みに対しては、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)の貼付剤(湿布)が多く使われています。中でも、「ケトプロフェン」(モーラステープなど)は効果が強力で剥がれにくく使用感も良いため、大変人気があります。

 医療用のケトプロフェン貼付剤には、20ミリグラム、40ミリグラムのテープ剤(1日1回)、60ミリグラム、120ミリグラムのパップ剤(1日2回)、そして120ミリグラム、240ミリグラムの1日1回貼付タイプの商品があり、患部や症状によって使い分けられています。ケトプロフェンを含む貼付剤は市販されているので、ドラッグストアなどでも購入できます。

 ただ、テープ剤・パップ剤は患部に貼って使用するため、皮膚のかぶれやかゆみが出るケースも多くあり、使用には注意する必要があります。

 また、ケトプロフェンを含有する外用薬は、「光線過敏症」によって皮膚に重篤な副作用を起こすことが知られています。ケトプロフェンを貼った部位の皮膚の表面近くにとどまっている成分に日光などの強い紫外線が当たると、発疹、発赤、かゆみ、腫れ、水ぶくれといった激しい皮膚の炎症が表れるのです。

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池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

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