特殊な心筋梗塞「MINOCA」はどんな病気なのか 世界中で注目

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「一般的に心筋梗塞は、突然起こった胸痛などの症状と、心電図上のST上昇(波形のST部分が高い)の異常、血液検査での心筋トロポニンやCK(クレアチンキナーゼ)といった心筋逸脱酵素の上昇、心エコー検査での心臓壁の動きの低下を示す所見などから診断されます。さらに冠動脈造影検査を行うことにより、ほとんどの例で冠動脈に50%以上の狭窄や閉塞が認められます。しかしMINOCAでは、胸痛などの症状や各検査で心筋梗塞の病態を示しているのに、冠動脈の閉塞が見られないのです。同じように冠動脈の閉塞がないNSTEMI(ノンステミ:ST上昇を伴わない心筋梗塞)というケースもありますが、その場合は冠動脈が何カ所も狭窄しています。ところがMINOCAは狭窄も見られません」

 通常の場合、心筋梗塞と診断されれば、速やかに治療が行われる。冠動脈が詰まっている場合、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と呼ばれる治療が実施されている。足の付け根や手首からバルーンが付いたカテーテルを挿入し、冠動脈の詰まっている箇所に到達したらそこでバルーンを広げて血管を拡張し、血流を再開させる。

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