とても大がかりな手術で、生活の質に大きな影響を与えるため、切らない治療を検討するのも大切でしょう。それが化学放射線療法で、喉や舌、食道などのがんでは、手術を避けられる可能性が高い。当然、外見への影響はなく、嚥下や発声などの機能も守ることができます。
一時的に胃ろうをつけるケースもありますが、あくまでも一時的。治療期間も数カ月に及びますが、長期的にはお勧めだと思います。
乳がんも、今は乳房を温存する手術が可能。しかし、術後の美容面は、乳房の形や左右の位置など執刀医の力量差が大きく表れます。温存手術を受けるときは、症例数が多い医療機関を選ぶこと。その上で、別の乳腺外科医にセカンドオピニオンを求め、執刀医の力量をチェックするといいでしょう。
乳房を切除して再建する場合は、頭頚部がんのケースと同様に、形成外科の実力とセットで医療機関を選ぶことが大切です。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵