Dr.中川 がんサバイバーの知恵

キャシー中島さんは皮膚がんで顔に22針…術後の美容は形成外科医の実力が重要

キャシー中島さん(C)日刊ゲンダイ

 とても大がかりな手術で、生活の質に大きな影響を与えるため、切らない治療を検討するのも大切でしょう。それが化学放射線療法で、喉や舌、食道などのがんでは、手術を避けられる可能性が高い。当然、外見への影響はなく、嚥下や発声などの機能も守ることができます。

 一時的に胃ろうをつけるケースもありますが、あくまでも一時的。治療期間も数カ月に及びますが、長期的にはお勧めだと思います。

 乳がんも、今は乳房を温存する手術が可能。しかし、術後の美容面は、乳房の形や左右の位置など執刀医の力量差が大きく表れます。温存手術を受けるときは、症例数が多い医療機関を選ぶこと。その上で、別の乳腺外科医にセカンドオピニオンを求め、執刀医の力量をチェックするといいでしょう。

 乳房を切除して再建する場合は、頭頚部がんのケースと同様に、形成外科の実力とセットで医療機関を選ぶことが大切です。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事