コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

体内で曲がる「軟性内視鏡」を使う新手術ロボットなら専用手術室も不要に

大きく切開することもなくなるかも…(C)PIXTA

「FESSは体内に挿入する手術動作部と、内視鏡と鉗子(かんし)をモニターで遠隔操作するための操作部から構成されます。手術動作部は1本のしなやかなチューブの中に鉗子とカメラが収められていて、この部分はフレキシブルに曲がりながら患部へと進んでいけます。既存のロボットではアプローチしにくい体深部に到達できるのが最大の強みです」

 つまり、既存のロボット手術(腹腔鏡手術)のように体表に4~5カ所穴を開けて手術をするのではなく、FESSで体表を切開するのは手術動作部を挿入する1カ所のみ。患部の場所によっては体表を切開せずに、肛門、口腔、膣などの自然孔(こう)からの手術も可能という。直径3センチ弱の手術動作部のチューブに収納されているのは、直径5ミリの鉗子が3本と、直径8ミリの3Dカメラ1本。これらを自由に操作できる範囲は直径5センチ球内で、いまのところ体表から到達できる深さの範囲は20センチ程度という。

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