時間栄養学と旬の食材

ハスカップは「不老長寿の妙薬」鉄・カルシウム・ビタミンが豊富

ハスカップ

 では、いったいどのような栄養素が含まれているのでしょうか。まず、果物の中でもトップクラスの鉄やカルシウムが含まれています。特に鉄は体内に吸収しづらい栄養素なのですが、ハスカップには吸収を助けてくれるビタミンCやクエン酸が一緒に含まれるため、効率的に鉄を吸収することができます。

 そして、美肌や老化防止のための抗酸化作用が大変強いとされるビタミンCやビタミンEも豊富です。ビタミンEの中でもより体内で使われやすいαトコフェロールが多く含まれるので、その効率の良さはピカイチ!

 ヒトの皮膚細胞を用いて、ハスカップ抽出物を投与した実験では、紫外線による皮膚保護作用が報告されています。朝に摂取することでより肌を守ってくれる作用が期待できるでしょう。また、ハスカップの色素成分であるアントシアニンも抗酸化作用を持ち、目の健康に役立つ効果があります。果汁にはクエン酸やリンゴ酸が豊富で、疲労回復に効果的です。

 ほかの面白い研究では歯肉線維組織の細胞を用いてハスカップ抽出物を投与したところ、酸化ストレスや炎症を抑えられたという報告も。ハスカップは歯周病予防にも役立つといえるでしょう。

2 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事