認知症、不眠、抑うつ状態… 「漢方薬」が効く意外な病気

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員の天野陽介さん(提供写真)

■不眠

 不眠の原因はさまざまだが、中でも漢方薬が適しているのは、心理的原因による不眠、そして精神疾患や身体疾患による不眠だ。

「赤ら顔でイライラして落ち着かないなどで入眠に障害があれば『黄連解毒湯』。イライラして怒りっぽいなどの症状があれば『抑肝散』が処方されます。また、抑うつ、驚きやすい、動悸などがあり熟眠できない場合は『柴胡加竜骨牡蛎湯』。更年期障害で熟眠できない、早朝覚醒などがある場合は『加味逍遥散』。中年期以降で、足腰のだるさや夜間頻尿などがあり、早朝覚醒する場合は『八味地黄丸』が適応するとされています」

■抑うつ状態

 抑うつ状態とは東洋医学では、過労や心労により感情の乱れが誘発され、気の滞り(気滞)や気の不足(気虚)が出現したものと考えられる。さらには熱や寒、水滞(水の滞り)や、瘀血(血の滞り)・血虚(血の不足)などでも生じる。

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