コロナ第7波に備える最新知識

空気感染が注目されるが…「飛沫」を浴びた料理への警戒心が薄れていないか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「よくある誤解は食品と料理を混同して安心することです。流行当初の世界保健機関の暫定ガイドラインや厚労省見解でも、野菜や魚を含む食品を介しての感染の可能性は非常に低いとしています。食品上でウイルスは増殖しないからです。しかし、それと飛沫を浴びた料理やウイルスが付着した手で触った料理をすぐに口にするのとは別です」

 オミクロン株以降、味覚障害の報告数が減っている。これは料理を介した感染が低下したからではないか。岩室医師はそう推察している。

「2年前の欧州の調査では中等症以下の新型コロナ感染者の88%に味覚障害が認められました。それが今年の英国保健安全保障庁発行のリポートでは13%まで減少しています。これは、新型コロナウイルスがその姿を変え、新型コロナの感染の仕方が変化した結果であり、エアロゾル感染が増えたのはそれは咽頭下部から口腔内に至る広い範囲だった感染部位が、咽頭上部に狭まったせいではないか、と私は思うのです。とはいえ、飛沫を浴びた料理などへの感染リスクは消えたわけではない。感染後の後遺症の重さを考えれば対策は万全であるべきです。エアロゾル感染だけに気をとられずに、バランスの良い感染経路別の対策を守っていくことが大切だと思います」

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