サル痘は本当にセックスでうつる病気なのか? WHOが調査開始

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかも、米国や欧州で確認されたクラスターの患者の中には流行地への渡航歴がなく、ゲイやバイセクシュアル男性などの同性と性的接触を持つ人(MSM)が目立った。そのため、MSMの人たちに多い性感染症ではないか、という見方もある。

「現時点で、この病気は皮膚や寝具に触れたり、食器を共有したりといった濃厚接触によって広がる感染症とされています。いまは情報が少なすぎて性感染症であるかどうかはわかりません。ただ、注意は必要です。というのも最近の性感染症は精液からウイルスのゲノムが見つかることは珍しくないからです。かつてエボラ出血熱と言われていたエボラウイルス症は平均の致死率が50%の怖い病気ですが、感染経路はエボラに感染して亡くなった人の体液や血液で、精液にも感染力のあるエボラウイルスが隠れていてセックスでうつることが確認されています」

 妊婦が感染すると水頭症の子供が生まれるリスクが高まるジカ熱も同じだ。2016年、ブラジル渡航中にジカ熱を発症した46歳のフランス人男性が、帰国後にパリ在住の24歳の女性とオーラルセックスをして感染させた事例が報告されている。

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