Dr.中川 がんサバイバーの知恵

秋野暢子さんが告白した食道がんで厄介なのは「咽頭との重複」

秋野暢子さん(C)日刊ゲンダイ

 自治体のがん検診は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頚がんの5つが対象。人間ドックでも、食道がんの項目はありません。

 では、酒を飲み、たばこを吸うようなリスクが高い人はどうするか。重要なのは胃がん検診、この場合、内視鏡に限りますが、その受け方です。胃カメラ検査を受ける前に、「酒飲みなので、食道もしっかりと見てください」とお願いすること。私も毎年、そうしています。

 それで、もし食道がんが見つかったら、咽頭がんを想定した検査も受けるべき。逆もまたしかりです。

 転移がんは治りにくいものの、重複がんは早期なら治りやすい。秋野さんのように前向きさが大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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