東洋医学を正しく知って不調改善

疲れにくい体にするための漢方は? 原因に応じた処方で改善

王瑞霞氏(提供写真)

 「気虚」のケースに、いわゆるスタミナが足りない場合があります。「牛車腎気丸」や「八味地黄丸」が処方される他、赤肉類やウナギなど動物由来の滋養強壮作用がある食物を食べるとよいでしょう。

「気滞」の場合で、疲れやすさに抑うつ気分、落ち込みやすい、食欲不振が伴う場合は「逍遥散」。イライラしやすい、落ち着かない、のぼせ、よく眠れないなどが伴う場合は「加味逍遥散」や「抑肝散」がよいでしょう。

 漢方医学では自覚症状のみならず、舌診や腹診、脈診などの診察から収集した情報を総合的に判断し、最も合う漢方処方が選ばれます。決して自己判断せずに専門の医師や薬剤師に相談してください。

2 / 2 ページ

王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

関連記事