赤ちゃんが生まれる一歩手前の「切迫早産」に注目の新治療が

写真はイメージ(C)takasuu/iStock

 そもそも切迫早産になるかどうかは、事前にわからないことも多い。初産ならなおさらだ。つまり、予知して治療が難しい。そこで切迫早産が判明すれば、速やかな対処が重要となってくる。

 切迫早産は、子宮内で羊水とともに赤ちゃんを包んでいる膜が破れて羊水が流れ出る「破水」で判明する場合もあれば、破水がない場合もある。

「破水のない切迫早産では、子宮収縮の有無と頚管長短縮(子宮の入り口の長さが短い)で診断されます。自覚症状の有無にかかわらず日本では、切迫早産の治療は入院で安静、そして子宮収縮抑制剤の投与がスタンダード。ただ、この期間が長くなると、薬の副作用の問題がお母さん、赤ちゃん双方に生じてきます。点滴につながれ長期間ほとんど動けないので、お母さんのストレスも大きい。そこで長期入院ではなく、外来管理を安全に行うために私が試みたのが、子宮頚管ペッサリーを挿入する治療法です」

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