高齢者の正しいクスリとの付き合い方

血をサラサラにする薬を使っている人は歯の治療の際に必ず伝える

歯科を受診するときも忘れずに伝える

 じつは、血をサラサラにするクスリを使っている場合、ケガよりも注意してほしいことがあります。それは、病院や歯科などを受診する際に必ずそういったクスリを使っていることをスタッフに伝えることです。治療や検査の中には出血を伴うものもあります。血をサラサラにするクスリを使っていることがスタッフに伝わっているかどうかは、治療や検査の安全性に直結する重要な情報になります。

 治療や検査に向けて一時的に血をサラサラにするクスリを中止する必要があるときは必ず指示がありますので、その場合は指示に従っていただければ大丈夫です。

 意外と忘れられがちなのが、歯科を受診するときです。特に抜歯は出血を伴う治療ですので、必ず伝えるようにしましょう。

 とはいえ、「そんなの忘れてしまうし、面倒くさい」という方もいらっしゃるでしょう。そのときに活用してほしいのが、やはり「お薬手帳」です。血をサラサラにするクスリはもちろんですが、皆さんが処方されたクスリが記載されているお薬手帳は、安全な医療を受けるためのとても重要なツールになります。ただ、せっかくのお薬手帳も情報が正確でなければ意味がありません。医療機関を受診する際は必ず提出するようにしましょう。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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