認知症を予防する補聴器のすべて

「聞こえ」が良くなったら生活が一変して社交的になった

補聴器をつけることで生活スタイルがポジティブに(C)日刊ゲンダイ

 ある日、そんな苦い体験をなにげなく訪問看護師の方に話したところ、その看護師からご相談の連絡をいただき、さっそくお店でご本人の聴力を測定してみることに。するとどうやら聴覚障害の手帳取得が可能な程度であるとわかりました。耳鼻科でも検査すると案の定、意見書を書いてもらえ、障害者手帳を取得できて補聴器の支給を受けられたのでした。

 あきらめかけていた補聴器をつけることができてからは、この方の生活も一変することになります。デイサービスに行っても、今まで後ろの方でぼーっとしているだけだったのが、いまでは積極的に歌ったり、クイズを解いたりするようになり、行き帰りの送迎車の中でも利用者さんと冗談を言い合えるようになったと、晴れやかな顔で私たちに話してくれます。

 なんらかの理由で補聴器をあきらめていらっしゃるあなた。試しに身近な人や耳鼻科あるいは補聴器販売店に相談してみることをお勧めします。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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