注目すべきはキャベツから取れたため、その名がついたとされるキャベジンです。ビタミンUとも呼ばれ、「U」は「ulcus(潰瘍)」の頭文字。潰瘍を防ぐビタミンという意味があるのです。胃の調子を整える作用が大変強く、胃の粘膜のムチン層の量を増やしてくれたり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍によって傷ついた胃壁の修復に役立つと報告されています。また、キャベジンを摂取することでアレルギー反応が起こる原因物質のヒスタミンを抑える働きを持つとの報告もあります。
その他にも、キャベツには腸内環境を整えてくれる豊富な食物繊維、がん抑制効果のあるイソチオシアネート、発がん性物質を抑制するペルオキシダーゼという酵素が含まれていることから、がんの予防、特に膀胱(ぼうこう)がんや肺がんに効果的と報告されています。
ビタミンCやキャベジン、酵素類は加熱に弱い性質を持っています。これらの栄養素を効率良く取るには生で食べることが望ましいので、もし加熱する場合はさっと茹でたり炒めたりするとよいでしょう。
煮物やスープのようにコトコト煮る場合でも食物繊維はしっかり取れているので、目的に応じて調理法を変えてみるといいですね。
時間栄養学と旬の食材