寝たきりになりたくない! 押さえておきたい5つの「M」

自分らしく最期を迎えたい(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「『5つのM』のうち『生きがい』において、この患者さんは『仕事』ときっぱり答えました。最期の瞬間まで仕事をやり通したい、ただし受けられる治療があるなら治療も受けたい、と。奥さまもそれに同意されていました。私は抗がん剤の詳細なデータを示し、患者さんに適しているのは比較的軽い抗がん剤による治療ではないかと伝えました。最終的に患者さんが選択したのは、私が推奨した比較的軽い抗がん剤の治療でした」

 抗がん剤の日は午前中に仕事をし、午後に治療。職場でも病状を説明し、最期まで働く意思を示した。治療中に「ダンスを妻としたい」と、がん発症前は時間が取れずにできなくなっていたダンスを再開。当初、余命は数カ月と予想されていたが、それを超えて人生を楽しみ、亡くなる前日まで仕事を続けていた。

「5つのM」は、医療者側だけが押さえておくべきことではない。治療を受ける側も、1つでも意識することを増やす。それが健康寿命の延長になり、また自分自身も家族も後悔しない最期を迎えることにつながる。

「中でも特に考えてほしいと思うのは、生きがいの『M』。どういうふうに生きたいか、どんな生き方は避けたいか」

 5つの「M」で、後悔しない人生を。

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