最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

ネンネンコロリではなくピンピンコロリを実現させるために

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ピンピンコロリという言葉があります。好きな時に自分の足で歩き、自分の舌で好きなものを味わう。いわゆる最期のその時まで健康寿命をまっとうするということです。ちなみに、このピンピンコロリに対して、ベッドで寝たきりになり最期を看取られることをネンネンコロリと言うそうです。

 よくあるのが、高齢者が転倒し骨折し、救急車を呼んで病院に行ったら即入院となり、そのまま認知症を発症してしまい、帰宅したころには呆けがひどくなっていたというケースです。

 どんなにお元気な方でも、この「骨折して入院する」を2回も繰り返せば、認知症の症状が出る確率が高くなります。

 これが、もしも病院ではなく、在宅医療により自宅で療養をするならば、当然ながら治療期間中はギプスで固められた不自由な生活を1カ月ほど送ることは同じではあるものの、家族や在宅医療スタッフ、日常生活のさまざまなことから受ける刺激で、認知症の症状の発症は格段に少なくなると考えています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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