若い女性が性感染症クリニックに押しかけるワケ 東京の夜の繁華街に異変が

写真はイメージ(C)PIXTA

「8月末ごろから、目に見えて女性の患者さんが増えています。多くは性的サービスを提供するお店の従業員。梅毒を含めた一般的な性感染症の検査に加えて、HIV検査を希望しています。男性もHIV検査を受ける人が増えている印象です」

 厚労省(エイズ動向委員会)の2022年8月発表によると、21年の国内の新規HIV感染者は742人、新規エイズ患者報告者数は315人で計1057人(過去20年間で18番目の報告者数)。

 しかし、これは氷山の一角。HIV感染症は、「感染症法」において5類感染症(全数把握)と規定されている。診断した医師は7日以内に最寄りの保健所長を通じて都道府県知事に届け出を行う必要がある。だが、確定診断を恐れて受診しない患者もいて、潜在的な感染者はもっと多いとみられている。

「最近は性的サービスを提供するお店は競争が激しく、差別化を図るためにコンドームなしでサービスをするお店が少なくありません。それが梅毒やHIVなどの性感染症の拡大の背景になっている可能性があります」(前出の尾上医師)

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