なかなか治らない「うつ病」は「そううつ病」の可能性あり 速やかに適切な治療が必要

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「診断の難しい、いわゆる“隠れそううつ病”のようなケースでは、適切な治療にたどり着きにくい。“うつ病”と双極性障害の治療では薬の使い方から、心理社会的支援まで大きく異なり、双極性障害であれば、それに準じた治療を速やかに行う必要がある。というのも、双極性障害は一般人口の20~30倍も自殺の危険が高く、双極性障害患者の6~7%が自殺で死亡し、未治療では20%が自殺をするといわれているからです」(宗医師=以下同)

 今秋、日本うつ病学会の双極性障害治療ガイドラインが最新エビデンスに基づいた全面改訂版として発表される。今回、新たに設けられた章に「心理社会的な支援」があり、宗医師が執筆を担当している。

「双極性障害は薬物治療が基本ですが、それだけでは1年で4割、5年で7割という高い再発率が報告されています。そこに心理的な支援が加わることで、1年後の再発が半減すると検証で明らかになっています。その土台になるのは病気や対応の基本を学ぶ心理教育です。それに加えて、認知行動療法や対人関係・社会リズム療法、家族療法といった専門的な心理療法が必要に応じて追加の検討をされます」

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