健康長寿のカギは腎臓にあり

腎臓は体内の環境を整備する司令塔 不要物の排出が重要な役割

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腎臓の役割のひとつが、体内の不要なものを排出するというもの。

 腎臓の中には、細い毛細血管が毛糸のように丸まった「糸球体」があり、これがフィルターとなって、血液中の老廃物や塩分、電解質など不要なものをろ過します。きれいになった血液は再び全身をめぐり、一方で不要物は腎臓のボーマン嚢(のう)という部分に運ばれます。これを原尿と呼びます。

 ボーマン嚢に運ばれる原尿は、成人で1日当たり150リットルほど。これらがすべて尿として排出されると脱水症状を起こしてしまいます。そこで、原尿はボーマン嚢からつながる細尿管という組織を通り抜けるのですが、その間に原尿内のブドウ糖、水・無機塩類など体に必要な成分や水分が再吸収され、最終的に残ったものだけが尿道を通り、尿として排出されるのです。

 腎臓は、体の中の環境を整備する司令塔と言っていいほど、重要な臓器なのです。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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