睡眠時間が足りていない人は「高血圧」になりやすい 1時間減でリスクは37%増える

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 睡眠不足になるとなぜ高血圧リスクが高くなるのか。

「血圧の一日内の変化は、起きてから日中にかけて血圧が上昇し、夕方から徐々に下がっていき、寝ている時に最も低くなります。これは、日中の活動時には交感神経活動が優位になり、就寝中は副交感神経活動が優位になるからです。つまり、眠っているときは副交感神経活動が主体になっていなければなりません。しかし、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低下していたりすると、交感神経活動が優勢になっている時間が長くなります。すると、神経伝達物質のカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)やストレスホルモンのコルチゾールが大量に分泌されます。アドレナリンは心拍数を増加させ、血流を増やして血管を収縮させるため血圧が上昇します。コルチゾールも血管を収縮させるうえに血中ナトリウムを増加させる働きがあり、血圧が上がります。本来は血圧が下がるはずの就寝中も、翌日の活動時も血圧が高い状態が続くことになり、慢性的な高血圧を招いてしまうのです」

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