後日、合格の報告が来た時は、父がいちばん喜んでくれました。新品の予備校の教科書は、もったいないと思いましたが、それでも半年後くらいに捨てました。
大学に入学してみると、合格した70人の中にはK君、高校1年先輩のT君がいましたが、同じ宿舎に泊まった受験生はS君も含めて誰もいませんでした。あの人たちはどうしただろうかと今でも思うことがあります。
高校の同級生が、「佐々木が合格したのだから、自分も入れる」と思ったのか、翌年に2人入学してきました。
優秀だったK君は大学卒業後に内科医となりましたが、3年後に白血病で亡くなりました。外科に進んだT君は長年、地域医療に貢献されましたが、2年前に全身がんで亡くなりました。
がんと向き合い生きていく